がく矯正手術のメリット・デメリット
がく矯正手術のメリットは、ここまで沢山書いてきました。
確認も兼ねてもう一度書きますと、
咬みあわせ(機能性の改善)だけでなく顔の形も良くしてしまう究極の治療だといえます。
デメリットとして以下のものがあります。
1.全身麻酔による手術を伴う
2.入院を要する(施設によって異なるが3日~3週間程度)
3.下歯槽神経損傷のリスク
4.周囲の不理解
1.手術
がく矯正手術は、手術をしなくてもすぐに命に関わるということはありません。そのため手術をしてまで治療をしたくないという価値観もあって当たり前だと考えます。また、手術は、メスを使いますからほとんど目立たないとはいえ多少の傷は残ります。
全身麻酔をして手術を行います。現在の全身麻酔は非常に安全になりましたが、リスクが全くないというわけではありません。
※がく矯正手術により患者さんが命を落とすことはほとんどありませんが、過去40年の国内では、この手術に関連した全身麻酔に関連して命を落とした方もいるのが事実です。
わたくしは、過去に5000例以上の方にがく矯正手術を行ってきましたが、命に関わる重篤な事故を起こしたことはありません。
2.入院を要する
全身麻酔を必要とする手術ですから手術前後の管理は必須ですし、手術後の感染予防や咬みあわせ管理のために入院が必要となります。入院期間は、手術を行う施設によって異なりますが2~3週間位が標準のようです。
わたしのクリニックでは4泊5日の入院期間で治療を行っています。入院期間は5日間ですが、手術後に安静のため1週間位は、良く休んだ方が良いと考えます。
3.下歯槽神経損傷のリスク
がく矯正手術で行われる下顎枝矢状分割術は、その手術法のため下顎骨の中を走行する下歯槽神経を損傷するリスクがあります。手術直後に神経の痺れなどを感じる方は約 %位いらっしゃいます
約95%の方は、手術後おおよそ1年でこの違和感が無くなります。3%の方は1年以降に序々に知覚が改善いたします。約2%の方がオトガイ部の痺れや麻痺感が持続いたします。
手術をするということは、こういったリスクを伴うのが現実です。
顔面神経という表情を作る神経は、全く別の経路ですので手術により顔が動かなくなるということはほとんどありません。(過去にいくつかの論文報告はある)
4.周囲の不理解
がく矯正手術は、咬みあわせだけでなく顔の形も改善されます。周囲の方(クラスメイト)などから見ると美容外科で手術したのかの区別はつきません。
『整形した』などの誤解や噂をされる事があります。私が患者さんに言うのは、『あまり気にしないこと』です。
がく矯正手術は健康保険が適応されます。その意味することは、『顎変形症』は。国が病気と認めているのです。咬めない・発音できないという機能障害の改善のための治療ですから、後ろめたさを感じるものではないのです。
歩けない方に、手術をして歩けるようにしたのと同じなのです。ですから、治療を受ける患者様は、胸をはって顎矯正手術を受けたといってください。
また、周囲からの雑音を避けるために、大学進学や就職前など周囲の人間関係が大きく変わるタイミングで手術を受けるというのも一つの良い手術時期だと考えます。
美容外科との違い
私の専門とする、『がく矯正手術』という言葉。この言葉を聞いたことのある方はほとんどいらっしゃらないと思います。一方で、『美容外科』という言葉を知らない方はいないと思います。
1.根本的な顔のバランスを治す『がく矯正治療』
がく矯正外科
顔の中心部分である上顎骨の3次元的なズレを修正します。ですから顔全体のバランスを修正することができます。顔が長すぎる・丸い・歪んでいるetc
また、アゴの位置を改善することができますので、咬みあわせや顔の形というものも改善することができるのです。
2.美容外科 パーツごとをなおす美容外科
美容外科の優れているところは、顔の一つ一つの部位の修正といえます。
目の二重の形や・鼻の細かい修正、シミ、シワなどの修正は美容外科の得意とするところです。このような細部の修正は美容外科でしか治すことができません。
間違えていけないのは、顔の骨格に根本的な問題がある時は、美容外科では治せないということです。顔面の根本的な問題を解決できるのは顎矯正外科なのです。
がく矯正外科 美容外科
がく矯正外科の治療が必要なのに、美容外科による治療だけで顔を治そうとしますと仕上がりに満足がいかなかったり、次から次に美容手術を行うことになったりしますが、骨格からのズレは改善されませんので、答えのない答えを探すようなことになってしまうのです。
アゴを治すなら顎矯正外科
美容外科でアゴを治す場合、顔の中心部分から形を整えることができないため、顔の中心のズレを無視して、末端だけを整えることになります。そのため仕上がりが不自然と言いますか、しっかりと咬むということと、関係なく形だけを整えます。例えるならば、遅い車にスーパーカーのボディをかぶせるようなものです。
そのようなハリボテ治療に、健康保険が適応されることはありませんので、当然、治療費は全て患者さんの負担となります。
かたちだけでなく、機能も兼ね備えた治療が がく矯正手術 です。
がく矯正手術は、咬めない・発音できないという、“機能障害”を治療するのが1番の目的ですから、まずしっかりと咬め、発音できるようになります。また、『機能障害』の治療が目的ですので、健康保険が適応となります。
→ 歩けない人を歩けるようにするのと同じ
→ 咬めない → 咬める
がく矯正手術ではしっかりと咬めるように、アゴの位置の異常をなおします。そのため見た目も自然と整ってしまいます。
基本的に、機能と外見というものには関係があります。しっかりと動く・働くものの形というのは基本的に美しいものです。飛行機やF1マシーンなど機能をつきつめたものは、基本的に形は美しくなるものです。
鶴木クリニック医科歯科
【受け口・しゃくれ・顔面非対称・アゴなしなどの顎変形 治療専門】】
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TEL:047-334-0030
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鶴木 隆 医学博士 医師・歯科医師
日本口腔外科学会 指導医・専門医
石田哲也 歯学博士 歯科医師
日本矯正歯科学会 指導医
こんにちは。鶴木三郎です。
今月もカー&ドライバーさんで、コラムを担当させてい頂きました。
今回は、睡眠時無呼吸症候群についてです。
日中に眠気に襲われることがあるという方は、ぜひ読んでください!
顎変形症治療専門
鶴木クリニック医科歯科
歯科医師・医学博士・日本口腔外科学会認定医
鶴木三郎
三郎先生が、月刊カー&ドライバーでコラムを担当しています。その名も
『genki yaruki tsuruki』です。
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鶴木 隆 医学博士 医師・歯科医師 日本口腔外科学会 指導医・専門医
石田哲也 歯学博士 歯科医師 日本矯正歯科学会 指導医
本院のブログを開始しました。
4月より向井先生が分院に常勤となりました。向井先生は、日本矯正歯科学会の認定医です。これにより三田分院は、顎口腔機能診断を行える施設となり、手術を伴う歯科矯正治療を(健康保険による矯正治療)を行えることとなりました。
分院のホームページも合わせてご覧ください。
http://www.tsuruki-mita.jp/